青白く沈黙した肌に
少しずつ スミレの花が咲く
季節はずれだよ と苦笑しながら
凍りついた唇にくちづけをする

これは絶対零度の恋
決して変質しない至上の愛

細胞を引き千切って ホルマリン
遺伝子を歪めて パラベン
時を殺した海の中で
ああ ずっと抱き合っていられたら

背中に爪を立てると痛がった
肩口を噛むと泣き出した
首に手をかければまっすぐに僕を見た
あの瞳の奥の強い光が
今もこんなに僕を捕らえて離さない

世界はすべてを閉ざしたけれど
僕はそのことを喜んだのだ

燃やした灰からは梔子の香り
埋めた土からは薔薇が咲き
雨に洗われ 顔を出す骨は
無邪気なスズランの顔で復讐に来る

それもまた きっと甘い妄想
スミレに埋め尽くされた君の身体が
どろり 崩れていく