雨が降らないまま立ち枯れた花の下
お葬式が 始まる

遠くからはお囃子が聞こえてくるので
あたしは冷たいおじいちゃんの親指を隠すよ

青白い頬は月に舐められたみたい
どうしてかしら
美しいものの皮をめくれば
その下にはいつも 悲しいものが息を潜めてる

こんな日は雨が降ればいいと
長い髪の美しい人は歌った
ゆりかごの中にいるようなやわい暑気が
あたしの喉に絡みつくけど

さようならは言わないことにしたの
だってまだ あたしはあの手があたたかかったのを覚えている

あたしを愛してくれた人は今
ひそやかな風の下
やわらかな光に崩れていこうとしている

あたしはそれを失いたくないの
あたしはあなたを失いたくないの
だから涙なんかで この目を曇らせたりなんか しない