ブラームスの微笑み
モーツァルトの悪ふざけ
ヴェートーヴェンの苦悶
ショパンの慈しみ
モノクロの鍵盤から溢れる
彩り豊かな君の唱
お昼休みの一時間だけ
ここには小さなひだまりが出来る
迷い込んだ猫のフリして
今日もこっそり 耳を澄ませるよ
春先 滲むように拡散する光
幻 野鳥のように臆病な恋
この手の中に包んでしまえば
儚く消えてしまいそうなのです
リストの苛立ち
ラフマニノフの難題
サティのさり気なさ
シューベルトの哀れみ
「ぼく永久に
あなたへ忠節をちかひます」
お昼休みが終わる合図に重ねて呟くのは
栞を挟んだままにしてある詩集の一説
口の中 転がしながら含みながら
君の歌声と交じり合う夢を視る