唇を噛んでみます。
僕にその痛みはわかりません。

花弁を千切ってみます。
僕にそのはかなさはわかりません。

ただその一箇所だけが熱を持って、
僕にその存在を誇示します。

それは僕に打たれる君の眼差しに似ています。
それは僕に打ちのめされる君の哀しさに似ています。

僕ははじめてわかりました。
君を狂うほどに愛する意味が。
君を狂うほど傷つける僕の(かたち)が。