それは暗闇なの
かき混ぜれど かき乱せど
淀まない 完全な暗闇

僕の声は響かない
君の鼓膜に届かない
救い難き濃紺の海に
君は飽くなく心を沈める

その底にはきっと
労わられることのない
絶望の死骸が横たわっているだろう

君を満たす
君を満たす
君を満たす「僕」は君を犯す

君を奪う
君を奪う
奪いつくして 君を殺してしまいたいほどに食べつくして

(だって、そうやってしか君を守れないよ)

僕は声を出さない
君に思いを伝えない
手は震えている

君を守りたい手が、君を壊した。