海まで、あと2000メートル。
嘘ばかりのそれに、あたしは苦笑いする。
海は世界の果て、そんなに近いわけがない
絶え間ない繰り返しの中
あたしは狭い世界で呼吸をする
この風のにおいだけが
あたしの世界のにおいだと
たとえばそれが桔梗の淡い紫色や
どこからかやってくる焚き火の香りをはらんでどこかへ流れていくのだとしても
あたしは自分の世界の狭さを疑わないのだ
走り出したいと願う、焦燥
そうしたらお終いだと戒める、理性
蹴散らして 蹴散らして
あたしは看板に背を向け 自転車を漕ぎ出す
海まで、あと2000メートル。