梔子の花が灯るように咲き
紫陽花の金平糖がこぼれる頃
むせ返るほどに甘く 濃い
陽炎のような夜が来る
無機質にも 有機質にもなれなかった僕だけど
粗悪な白夜の真似事みたいなこの夜になら
もう少し上手に笑えるような気がするよ
ひとりぼっちに凍えた指先を
今だけ 薔薇の朱で染めてやろう
遠い空の下で泣いている君にも分けてあげるから
ぬるみ始める空気を伝い 泳いでおいで
今日は夏至祭
分かたれた世界も
今日だけは 刹那 繋がる
媚薬のようにささやかな奇跡
僕らに「また明日」はないけれど
いつまでも暮れない空を目印に
今宵 今宵だけは