想いは願いとなり
願いは言葉となり
言葉は声となり
声は音となり

わたしの喉を離れた瞬間
わたしの声があなたを狙撃する
わたしの言葉が成形した瞬間に
わたしの右手がそれを握り潰す
わたしの声は
音速で
伝わってゆくのだろうか


あなたのリプライは文字だった

青い光のモニタから
音を持たない言葉たち
光速の波でわたしを襲う
あなたの言葉が角張って、角張って、
凄くいとしい


わたしの密かな願いは
方向性を間違えている
どうせ理性なんてなかったけれど
どうせ既製の言葉だったなんて、云わないで、下さい


事の顛末として
最後に部屋に響いた音は
あなたのささやかな寝息のリズム
おやすみ、あなた
おやすみなさい、ゆっくりと


静かな寝息が音速で
アンドロメダまで伝わってゆく
小さく、小さく
静けさも、音速で
優しさも、音速で
波に、乗って